こんにちは、DolphinEです。
2020年2月9日に行われたボイスロイド技術交流会「ボイロテック2」にて「UTAUを使った歌うボイスロイドの作り方」について発表をさせていただいたので、今回はそのときの発表内容や補足、感想等を書いていきたいと思います。
※画像は第1回目のボイロテックの時ににじみこんいろ様が制作されたロゴをお借りしています↓
#ボイロテック にロゴ使用してもらえることになりましたやった!!!!!!!!!!!
— にじみ (@suidasisan) September 25, 2019
さらに許可も頂けましたので清書したロゴ公開させてもらいますー! pic.twitter.com/XmwIUm3gNW
発表で使用したスライドを公開
まずは、当日の発表で使ったスライドのPDF版を公開します。
「ボイロテック行きたかったけど行けなかったよ…」という方も、こちらのスライドを見ていただければだいたい発表内容がわかるかなと思います。
なお、7Pのデモ音源は音が出ませんが、ニコ動で公開してある動画へのリンクを貼ってあるので、良かったらそこから聴いてみてください。
発表やスライドの内容は、だいたい以前の記事をもとにして考えました。
ただ、今回は時間の都合もあり、UTAU式歌ボについて細かい解説するというよりは、「こういう方法もあるんだ」ということを知っていただくことをメインに考えてみました。
なので、スライドの内容は以前の記事よりも簡単でざっくりとしたものになっているかと思います。
発表中の反応に対する感想
当日の発表中に皆さんTwitterで感想や意見をツイートしてくださっていてすごく嬉しかったです!
そういったツイートも含めた発表中の反応に対しての感想なんかを書いていこうと思います。
帝国少女のゆづきずRemixも聴いて!
自己紹介の時、スライドには載せなかったんですが、口頭で「『帝国少女』のゆづきずRemixを作り、それが去年(2019年)の夏の『ゆかりあかりナイト』で使ってもらいました」っていうことを言いました。
解説のazumaさんも「良いRemixだからぜひ!」と言ってくださったし、Twitterでもrocoさんがおすすめと言ってくださっていました…!
https://twitter.com/rocol_ho4/statuses/1226391997893599233?s=20
ボーカルは歌ボではなくボカロなんですが、ボイロ好きならゆかりさんやあかりちゃんも好きだろうし、イントロ&アウトロではボイスロイドでの語りも入れてるので、結構楽しんでもらえるんじゃないかと思って宣伝させていただきましたwww
ボイロちゃんとのデュエットはいいぞ
こっちはUTAU式歌ボのデモ音源として聴いていただいたうちの1つなんですが、ハウトゥー世界征服を葵ちゃんとデュエットしたものを流させていただきました。
自分の声入りの音源を持っていくのには割と迷いもあったし、発表中は自分の歌が聴かれていることを実感してめちゃくちゃ緊張し、挙動不審になったりしてましたが…
会場の皆さんが拍手してくれて、Twitterでも結構いい感じの反応もあってそれがすごく嬉しかったです…!
UTAU式歌ボとのデュエット、強いですね #ボイロテック2
— たのし見@一般参加勢 (@tanoshimi2000s) February 9, 2020
自分でデュエット 最高に楽しそう#ボイロテック2
— 鞄莫迦@声月ありがとうございました (@kaban_baka) February 9, 2020
あとはazumaさんが「実質デートですよね」って言ってたんですが、割とまさにそんな感じの楽しさがあるんですよね。
azumaさんドルフィーネさんと葵のデュエットを「実質、デートですよね」#ボイロテック2
— さとる (@satoru1214) February 9, 2020
なんというか、世界線の違う僕と葵ちゃんたちボイスロイドが、1つの歌を一緒に歌うことによって同じ時間や空間を過ごせるみたいな感覚がしてます…
ちなみにこの歌ボ+歌ってみたっていうのは、ふらすこさんの動画を見て僕も真似し始めた感じなので、ぜひふらすこさんの動画もみましょう!
それから、azumaさんも言ってくれたんですが、Twitterでも自分の声を「イケボ」と言ってもらえたことが嬉しかったですね。
ドルフィーネさんイケボだ
— さとる (@satoru1214) February 9, 2020
イケボに生まれていたらゆかりさんと地声でデュエットできた未来もあったのか…。
— とうふ (@tohfu102) February 9, 2020
そんな感じで、終わってみたら結構受け入れてもらえたかなと思える反応だったのがありがたかったです…!
歌ボとのデュエット楽しいから、みんなもやろう…!www
UTAUはまた別の沼…
当日の別の方の発表ではボイスロイドの技術的にかなり難しい話も多く、「沼だ…」なんて言われていましたが、ご多聞にもれず僕の発表も「沼」という称号をいただきましたwww
あれ、UTAU式の歌うボイロもやっぱりゴリラになる必要があるのでは? #ボイロテック2
— ヘーベル/へべマイ (@39kenMEIKO) February 9, 2020
UTAU式も原音設定が修羅の道なのでは…? #ボイロテック2
— モヤイ@声月E-08 (@moyai_statue) February 9, 2020
やはりUTAU歌ボもゴリラ… #ボイロテック2
— 7sたん(ちーそーたん) (@7s_tan) February 9, 2020
#ボイロテック2
— αゲル@歌うVOICEЯOID (@pansracdoc4444) February 9, 2020
まさかUTAU沼を目の当たりにするとは…
UTAU式歌ボでは、ボイスロイド上での作業はあんまりないんですが、代わりにUTAU上での作業が多くて、そっちはそっちでやっぱり大変なんですよね…
だから、UTAU式歌ボは「これまでの歌ボに代わる簡単なもの」ではなく、「今まであった歌ボ沼の隣にある別の沼」ってだけなんです…www
ただ、沼が違えば向き不向きの違いもあり、ボカロPというバックボーンがある僕にはUTAU式の方が分かりやすいというのもあったんでしょうね。
これは発表後の交流や以下のようなツイートを見て気づきました。
歌ボから入った歌ボ勢は少なからずボイロの質感が好きで始めたみたいな節もありそうなので、ボカロやUTAU系のバックグラウンドからの視点は新鮮。突き詰めれば収斂進化しそうではあるけれども#ボイロテック2
— 丹識ここの (@Kokono92) February 9, 2020
ボカロ→UTAU→歌ボって流れができて色々な人が作り始める流れができたらすごく面白そうだなあ #ボイロテック2
— 7sたん(ちーそーたん) (@7s_tan) February 9, 2020
ボカロ側から入るならUTAUの方がイメージ的に近いのかもしれない
— がりゔぁー (@gariver2018) February 9, 2020
#ボイロテック2
なぜUTAU式歌ボをやるのか?の補足
UTAU式歌ボのやり方についてはざっくりとしていたので、この部分が今回の発表での核となるような感じでした。
ただ、この辺についてはちょっと誤解を生むような話し方をしてしまっていたり、もうちょっと詳しく話したかったことなどもあるので、そのあたりを補足していこうと思います。
ツールありきの表現を否定するつもりはない
スライドの16~17Pの部分で、「ツールありきの作曲ではなく、もっと自由にやってほしい」みたいなことを言いました。
ただ、矛盾するようですが「ツールありきの制限された状態での創作・表現」を否定するつもりはないんですよね。
VOICEROIDもツールありきの発声表現だから、自由度の限界があるのは致し方なし。
— とうふ (@tohfu102) February 9, 2020
別にそれを不満には感じないけど、自分の調声スキルはVOICEROIDがないと何の価値もないと思ったことはある。
例えば、作曲家がある1人のアーティストに楽曲提供する場合であれば、当然そのアーティストの個性・特性を生かして曲作りする必要があり、決して作曲家が自分の好き勝手にやることはないでしょう。
しかし一方で、作曲家にもその人なりの個性があり、依頼する側もそれを求めている場合が多いでしょうから、「提供するアーティストに合わせる」という制限の中で、「自分の個性も失わずに作る」ということが必要になります。
こういった姿勢で作品を作るというのも、クリエイターにとっては楽しいものだと思っています。
ただ、自分の好き勝手にやるというのもそれはそれで別の楽しさがあると思っていて、そのどちらを選ぶかの選択肢は欲しいなと思ったわけです。
あとは、僕はほかのボカロPさんに歌ボを広めたいなあと思っているわけですが、そういった人たちにはやっぱり自分の好きにやることに楽しさを見出している人が多いような気がしています。
であれば、ツールに合わせた作曲だけではなく、自分の自由にやるという選択肢もないと、ボカロPさんには興味を持ってもらえないんじゃないかな、ということで、KotonoSyncに頼らない方法を試しているといった感じです。
KotonoSyncをディスってるつもりはないんだけど、なんか申し訳ないよね
これは自分の中でもすごーいもやもやするというか、どう言えばいいのかわからない部分ですが…
先ほどの話のそもそもの部分で、「KotonoSyncで作った歌ボには相性の良い曲と悪い曲がある」とスライドや発表では言いましたが、これはあくまで僕の主観です。
決してKotonoSyncディスっているつもりはないんです。
ただ、やっぱり僕もボカロPというクリエイターの端くれですので、「こういう表現がしたい!」という希望はあり、それがKotonoSyncでやるには難しかったんですね…
しかも、それだって僕のKotonoSyncを使った歌ボの技量がないことだって十分にあり得ます。(ていうか、十中八九そうです…)
そして、スズモフさんが作られたKotonoSyncがあったからこそ歌ボが広まり、そうやって作られた歌ボが好きな人がたくさんいるのも知っています。
別に、誰かから「KotonoSyncをディスってるのか!?」と怒られたわけじゃないし、何なら以前(2019年10月)にあった初回のボイロテックでスズモフさん本人に似たようなお話はしてたりします。
だから、別に気にしなくてもいいのかもしれませんが、やっぱり自分の中では「なんか申し訳ないなあ…」みたいな気持ちが拭えないんですよね。
ちょっと重たい話だし、技術とは関係のない精神的な部分ですが、やっぱり大事な部分だと思うので、この記事を書くのを機にお気持ち表明させていただきました。
ねじ式さんの歌ボオリジナル曲が聴きたい
最後に、発表中にも言った僕のわがままなんですが…
ねじ式さんの作る歌ボオリジナル曲が聴きたいんです…!
ドルフィーネさん「ねじ式さんに歌ボをやって欲しい」#ボイロテック2
— さとる (@satoru1214) February 9, 2020
これが割りと、僕が歌ボというものをやる理由の中で大きなものだったりします。
もちろん、ねじ式さん以外のボカロPさんにも歌ボが広まってほしいと思ってますけどね。
この話も、以前卒論研究のためにねじ式さんにインタビューをさせて頂いたときにもチラッとお話してました。
で、どうすればねじ式さんのようなボカロPさんにも歌ボに興味を持ってもらえるかなと考えたときに、やっぱりボカロPさんに「良いな」と思ってもらえるような歌ボ調声が作れればいいんじゃないかと思いました。
なので、今後の歌ボに関する目標としては、ねじ式さんをもうならせることができるような歌ボを作れるようになることですね!
そのためにも、スライドの最後で触れた連続音の歌ボライブラリの制作についても勉強していこうと思っています。
UTAU式歌ボの共同研究者、募集中!?www
いかがでしたでしょうか?
今回、ボイロテックで発表や交流ができてすごく楽しかったです!
特に、僕は基本的にはボカロPということで、イベント等で交流があるのはだいたいボカロPさんばかりだったから、こうしてボイロ界隈の方と直接会ってお話しできるのがすごく嬉しかったです…!
また、今回発表が終わった後に、せれんさんが僕に声をかけてくれて「UTAU式歌ボに興味がある」と言ってくれたのがすごく嬉しかったです!
もちろんご本人にもその場で伝えたのですが、ほかにも「UTAU式歌ボをやってみたい!」という方がいたら、ぜひTwitterのDM等でご連絡ください!
今回の発表やスライド、以前のブログ記事だけでは伝えきれなかったことがたくさんあるので、そういった細かい部分も共有できたらなと思っています。
ということで、共同研究者はいつでも募集しています!www
…ただ、僕自身はボカロPということで、自分の曲の制作もあり、なかなか研究が進まないかもしれませんがwww
改めて、ボイロテック本当に楽しかったです!
ありがとうございました!!