こんにちは、DolphinEです。
この度、ねじ式さんのニューアルバム「Dive in Virus」発売にあたり、その特設ページにインタビュー記事を寄稿させていただきました。
今回はその記事の紹介と、記事の制作やアルバムの曲を聴いての感想を語らせていただきたいと思います。
ねじ式さんの新譜「Dive in Virus」発売にあたり、記事を寄稿しました!
本日、僕が大好きで尊敬しているボカロP・ねじ式さんの9th Album「Dive in Virus」が発売されました。
↑「Dive in Virus」XFD動画
通販サイトの情報等もこの動画の概要欄に記載されています
そしてそれにあたり、なんとねじ式さんのオフィシャルサイト内にある特設ページに記事を寄稿させていただきました!
9thアルバム「Dive in Virus」発売記念インタビュー!!
内容的には、僕がねじ式さんに今回のアルバムについてインタビューを行い、そのときのお話を対談形式でまとめた記事になります。
ねじ式さんがこのアルバムに込めた思いや、1曲1曲に秘められた意味をたくさん語ってくださいましたので、ぜひ読んでみてください!

コロナ禍の中で生まれた全12曲の「Dive in Virus」
ねじ式さんのがこのアルバムに込めた思いなどは、上記のインタビュー記事を読んでいただくとして、僕のブログのこの記事では、特設サイトに寄稿した記事の制作やアルバムの楽曲を聴いての感想を、割と勝手気ままに語らせていただこうと思います。
今回のアルバム「Dive in Virus」は、「コロナ禍の今だからこそ生まれたアルバム」ということがタイトルからも伝わってくると思います。
そんなアルバムに収録された全12曲には、それぞれいろんな意味や思いが込められていることがインタビューで分かりました。
そういったお話を伺っての感想、そしてもちろん1リスナーとして曲を聴いての感想等を、1曲ずつ語らせていただきます。
コロナ禍を暗示した「灰に潜れ」
1曲目の「灰に潜れ」は、インタビュー記事でも語られていた通り「コロナ禍で沈んでいく気持ち」を「報われない恋愛」に重ねて書いた曲とのことでした。
僕もこの曲を初めて聴いた時から、何となくいつものねじ式さんの作る「2番手ゆかり曲」とは違うような雰囲気を感じていました。

↑「灰に潜れ」のMV
その前提に立って聴くと、歌詞の言葉にも裏の意味が込められていることが感じられますね。
例えば、「此の侭逢えなくなって」という歌詞は「コロナ禍で直接会えなくなっていく状況」を示していると思いますし、「新たなnew life 非従来に溺れてる」はコロナ禍で盛んに叫ばれている「新たな生活様式」の隠喩であると感じられます。
また、サウンド的にもすごく好きな曲で、シンセリードのサウンドからは最近流行りのシティポップ的な雰囲気が感じられました。
とはいえ、そういった流行りの要素を無理に取り入れた感じは全くなく、「ねじ式さんらしい音楽」の枠組みの中で自然に取り入れている感じがすごくいいバランスだと思います。
これについては、ねじ式さんもインタビューで「流行やトレンドを意識したわけではないけど、普段聞いているそういった音楽の要素が自然に自分の中に入ってきた」とおっしゃっていましたね。
やっぱりこの「流行やトレンドが意識せずとも自然に自分の中に入ってくる」という感じがすごく重要なような気がしますね。
きずおねが超可愛い「パライソ・パライソ」
「パライソ・パライソ」は紲星あかり×ONE(通称:きずおね)という新たなカップリングから生まれた曲ですね。
この二人はそれぞれ結月ゆかりとIAの妹的なキャラなので、「ゆかいあの妹カップル」みたいな感じで僕もすごくいいなと思います。
この曲は檀上大空さん制作のMVの話も抜きにしては語れないと思います。
↑「パライソ・パライソ」のMV
というのも、檀上さんの描くあかりちゃんとONEちゃんがめちゃくちゃ可愛いんです…!
個人的には、ニコ動のビデオクリップ付きでツイートした以下のシーンが大好きです。
ここすき。かわいい。
— DolphinE@不安眠症 (@Dolphine_nico) November 10, 2020
【紲星あかり&ONE】パライソ・パライソ【オリジナル】 https://t.co/mkOImeLytX #sm37662284 #ニコニコ動画 pic.twitter.com/zuUw9rjdTy
あとは、この曲はボカロキャラのカップリング曲であると同時にItknkR(棗いつきさん+藍月なくるさん)というユニットさんへの提供曲でもあるんですが、このお二人のバージョンもすごく好きです。
ねじ式さんはこの曲を「百合曲でありつつもあどけなさのある曲」に仕上げたそうですが、そんな曲とこのお二人の色っぽさと可愛らしさが混じった声が非常にマッチしていると感じました。

↑「パライソ・パライソ」のItknkR版
Vtuberさんへの書き下ろし曲「滲む世界」
この楽曲はトピアというアプリのイベントで、優勝者の鳳玲天々さんへの提供曲として書かれた曲ですが…
個人的に感じたのは、ほかのアーティストさんへの提供曲としては、ねじ式さん自身の価値観や感情といったものが強く出ているように感じました。

↑「滲む世界」のMV
また、鳳玲天々さんはVtuberさんということで、「Vtuber文化への関心」についても、ねじ式さんに聞いてみました。
やはりねじ式さんとしてもVtuberには興味があるそうで、Vtuberさんのユニットに「ピニャコラーダ」や「Ice breaker」といったカップリング曲をカバーされていることについてもお話してくださいました。
↑にじさんじのユニット「ChroNoiR」による「Ice breaker」のカバー動画
また、ねじ式さんが気になっているVtuberさんとして、星街すいせいさんのお名前が挙がった時はビックリしましたね。

星街すいせいさんは、ロックな曲もジャジーな曲も上手に歌いこなすVtuberさんなので、ぜひねじ式さんによる楽曲提供などのコラボを聴いてみたいなあと思います。
ねじ式さんらしさに溢れた「アリウム」
4曲目の「アリウム」は、ねじ式さんとbuzzGさんのコラボアルバム「フリィダム・ランプシェード」にも収録された曲です。
↑「フリィダム・ランプシェード」のXFD動画
このコラボアルバムでは、ボーカルがねじ式さんとなっていたんですが、今回のアルバムでは初音ミクバージョンの収録となっています。
この曲については、ねじ式さんとしては「自分の思っていた以上に周囲からの反応が良い曲」といった感じらしいです。
というのも、この曲はねじ式さんからすると「割とサラッと作った曲」といった感じだからだそうです。
確かに聴いた側からしても、「めちゃくちゃ練り上げて細部までこだわった曲」というよりも「自分の中から自然に出てきたものをそのまま形にした曲」という印象はあって、サラッと作ったと言われても納得できるところがあります。
でもだからこそ、メロディも歌詞の言葉選びもサウンドもすべてが「ねじ式さんらしさ」に満ちていて、それがねじ式さんファンからするとすごく魅力的なんですよね。

ドキッとするようなflower曲「髑髏が咲いている」
「髑髏が咲いている」も「アリウム」と同じく「フリィダム・ランプシェード」の収録曲でした。
以前「フリィダム・ランプシェード」の感想記事を書かせていただいた時は、「『髑髏が咲いている』はねじ式さんがflowerを使った曲を書こうとしてできた曲」だと思っていたんですが、どうやらそれは勘違いだったようで…
ボカロP・ねじ式×buzzGの「フリィダム・ランプシェード」が最高
インタビューにもある通り、「まず曲ができて、それに合う声のボカロを探した結果flowerに行き着いた」という順序だったそうです。

↑「髑髏が咲いている」のMV
歌詞については、ねじ式さん自身もおっしゃっていた通り、SNSなどに毒づいた感じが強かったですね。
僕自身、この曲を聴いていてドキッとするというか、「自分自身にもそういうところが本当にないのか?」ということを問いかけられるような感じがしましたね。
なので「キツイ」という感想も結構理解できるところがあるんですが、一方でねじ式さんに憧れているクリエイターとしては、そのキツさとも向き合えるくらいでありたいなと思いました。
謎めいた印象の「カーテンコール」
6曲目の「カーテンコール」は、僕の中で謎めいた印象のある曲でした。
というのも、ねじ式さんがこの曲に関するツイートをしたことがほとんどありませんでしたし、そもそも今回のアルバム以外だと声月六のときに頒布されたゆかいあモバイルバッテリーの封入曲としてしか世に出ていなかったんですよね。
なのでインタビューでねじ式さんもおっしゃっていた通り、割と「知る人ぞ知る1曲」的な感じだったと思います。

サウンドとしては、これはほかの曲でも感じていたことですが、前作「nevertheless」からの影響が結構強く出ていると感じました。
特にこの曲では、「噛んだっていいよ」に近いようなスムーズなサウンドが非常に印象的でしたね。
↑前作「nevertheless」収録の「噛んだっていいよ」のMV
実はインタビューのとき、この曲のデモを聴かせていただいたんですが、もうその時点でめちゃくちゃいい雰囲気が出ていたんですよね。
インタビューでは「北海道への旅行中に作った曲」とおっしゃっていましたが、デモの時点でそんな「北海道の雪や空模様」が思い浮かぶようなサウンドに仕上がっていました。
インタビューが終わった後の帰り際に、曲作りのお話も色々させて頂いたんですが、その時にも「方向性が固まるデモの時点で良いと思えるものを作るのが大事だ」といった話を伺いました。
自分も曲を作っている身としては、すごく貴重なお話を聞けたなと感じ、今後の曲作りでも意識していきたいポイントですね。
背中を押してくれるバンドサウンドの「アイワナ・アロワナ」
「アイワナ・アロワナ」は2年前(2018年)に出たコンピ「ぼくのすきなバンド」という、ボカロPによるバンドオマージュ曲が集まったアルバムの収録曲です。
ねじ式さんはこの曲で、「ASIAN KUNG-FU GENERATION(通称:アジカン)」と「ELLEGARDEN(通称:エルレ)」をイメージして作ったそうです。
歌詞は背中を押してくれるような感じで、サウンドも2013年あたりのねじ式さんらしさのあるロックと、ねじ式さんの魅力が詰まった1曲だと思います。
ねじ式さん自身も、自分の作った曲の歌詞に励まされるような感じがして、このアルバムへの収録を決めたそうです。
また、コロナ禍におけるバンドについても伺い、そのお話を通してねじ式さんのバンドに対する愛情や思いが伝わってきました。

負けている人に刺さる「マケモノループ」
この曲は、2年前にKAIさんが主催したゆかいあコンピ「惑星軌道」からの収録曲です。
↑「惑星軌道」のXFD動画
この曲を今回のアルバムに収録するのは、ねじ式さんからKAIさんへのメッセージのような意味を込めてのことだそうです。
僕自身もKAIさんとは面識があり、お二人が同人即売会で仲良くされている姿も結構見てきたので、この曲を今このアルバムに収録すると知ったとき、感慨深いような気持ちになりました。
歌詞についても、非常に自分に刺さるところがあって好きな曲ですね。
インタビューでねじ式さんは「自分の中で一回負けていることが重要で、そういう人に刺さればいい」というようにおっしゃっていました。
これはちょっと自分語りっぽくなってしまうんですが、僕も自分のことを「負けている側の人間」だというふうに思っている節があるんですよね。
まあ今回、ねじ式さんから記事制作のご依頼を受けたことは自分でも頑張ったなと思えるんですが、一方で「まだ今のままじゃダメだ、もっと頑張らないと」という気持ちで、自分自身を手放しで認められないというか…
だからそんな風に「自分が負け続けている人間」だと思っているからこそ、ねじ式さんのこういう曲がすごく好きになれるのかな、なんてことを考えました。
ねじ式さんの価値観が表れている「9andA」
「9andA」はねじ式さん初の紲星あかりオリジナル曲です。
そしてMV上では、ONEちゃんも登場するきずおねの伏線的な表現がされています。
↑「9andA」のMV
この曲の歌詞はねじ式さん自身の体験と、その時に感じたことがベースとなっているそうで、ねじ式さん自身の価値観が強く表れている1曲だと思います。
インタビューでもそういったところについていろいろと語ってくださり、ねじ式さんの考え方も含めて素敵だなと感じる曲ですね。
また、タイトルの「9」に込められた意味についても伺ってみました。
新曲の「9andA」
— ねじ式(11/28.29 マジカルミライ大阪) (@nejishiki0221) October 15, 2019
どうして「Q&A」ではないのか。
動画のストーリーを観て色々思いを馳せてもらえたら嬉しいです。
↑「9andA」投稿当時のねじ式さんのツイート
インタビューでも語られていますが、この「9」には「小中学校という義務教育の『9』年間」という意味が込められていたそうです。
MV上ではあかりちゃんとONEちゃんの服装にも変化があって、それが中学から高校への移り変わりを示しているとのことでした。

コロナ禍だからこそ生まれた「空白のカレンダー」
10曲目の「空白のカレンダー」は「アカルイツナグミライ」という音楽CDプロジェクトへの書下ろし曲でした。
このプロジェクトが「コロナ禍で苦しんでいるミュージシャンを助けたい!」という思いからスタートしたものでしたので、「空白のカレンダー」という曲も「コロナ禍にいる『今』の自分たち」をストレートに表現しています。
MVもそれに沿って、「コロナ禍」という現状をはっきりと描いており、MVが投稿されている曲の中でも特に映像込みで聴いてみてほしい作品ですね。
↑「空白のカレンダー」のMV
ミュージシャンに限らず、コロナ禍で大変な思いをしている人はたくさんいると思います。
そんな時にこの曲を聴けば、「決して今の状況は良いとは言えないけれども、それでも何とか前向きにとらえて頑張ってみよう!」という気になれるんじゃないでしょうか。

歌詞の意味合いも変わった「Rusty Dream」
「Rusty Dream」はVOCALOMAKETSによる結月ゆかり・紲星あかり公式コンピ「星月の詩Ⅰ」の収録曲です。
↑「星月の詩Ⅰ」のXFD動画
この曲の本アルバムへの収録は、ねじ式さんの中でも特別な思いがあったそうで、「コロナ禍でもこのままでは終われない!」という思いを込めて収録したそうです。
「星月の詩Ⅰ」がリリースされたのが2019年の10月なので、この曲が作られたのもコロナ禍に入る前のはずですが、そんな時期に作られた曲がこのアルバムに収録されたことによって、歌詞の意味合いなどにも変化があったように感じます。
僕はもともと、この曲や「アイワナ・アロワナ」、「マケモノループ」のような、背中を押してくれたり気持ちを焚きつけたりしてくれるようなねじ式さんの曲が好きだったんですが、それらの曲をコロナ禍の今聴くと、より自分自身のエネルギーに変わっていくような気がします。

前向きなポップスで締めの「bright horizon」
本アルバムの最後を飾るのは、札幌モーターショーの公式ソングとして書き下ろされた「bright horizon」です。
↑「初音ミク公式チャンネル」から投稿された「bright horizon」の動画
この曲の制作には、提供先の札幌モーターショー側の思いや熱意が大きく反映されているそうです。
そんな思いの込められた楽曲は、ねじ式さんにとっても思い出深い1曲であったようで、「この曲を作った時の気持ちを思い出して前向きに!」という思いで、この曲を最後に持ってきたとのことでした。
曲調自体も明るくポップな感じで、「こんな世の中だけど頑張ろう!」という気持ちをより後押ししてくれると思いました。

つながりを大切にした「Dive in Virus」
ねじ式さんは今回のアルバムを「人とのつながりを大切にしたアルバム」という風におっしゃっていました。
いろんなアーティストさん・プロジェクトへの楽曲提供や、過去のコンピからの収録など、ねじ式さんとたくさんの人とのつながりが感じられたアルバムであったと僕も思います。
そして、これは若干僕の思い上がりのような気もしてしまいますが…
今回、ねじ式さんが僕にインタビュー記事の依頼をしてくださったのも、もしかしたら僕とのつながりを大事にしてくれたからなのかな…なんてことを思いました。

僕自身、こうしていろんな活動をしてきたおかげで、ねじ式さんをはじめとしたたくさんの方とのつながりができました。
このコロナ禍では即売会で顔を合わせるのも難しいですが、このつながりを大事にするために、できることを模索していきたいですね。
最後に、1月23日には名古屋でねじ式さん初のワンマンライブが実施されます!
ワンマンライブの詳細はこちら
インタビューでは、このライブへの思いもお聞きしてきましたので、ぜひねじ式さんのサイトの記事も最後まで読んでみてください。
ライブに行かれる方は、このインタビューを読んでねじ式さんの思いを知り、自身も万全の感染症対策と覚悟をもってライブに臨み、そして存分に楽しんでいけたらいいなと思います。
僕もライブは見に行く予定なので、最大限の対策と覚悟をもち、そのうえで精いっぱい楽しんで来ようと思います。
ねじ式さん、ライブ楽しみにしています!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!